次世代 PON に運用の簡素化、スケーラブル、節約をもたらすための3つの検討事項

コムスコープのエリック・グロンボールは、次世代PONについての以前のブログ記事で、サービスプロバイダーがハードウェアに関する意思決定をする際に役立ついくつかの検討事項について考察しました。コムスコープのバリー・コレッラはこれに続くブログ記事で、サービスプロバイダーがPONの運用計画の細部を策定する方法について紹介しています。

 

Nextgenpon (002)1. 軽く始める

始めるのはいつも難しいものです。PONネットワーク構築のはじめの一歩は、セントラルオフィスベースか、リモートOLTを導入することです。よく使われるOLTのデザインでは、コントロールプレーンのソフトウェアは各デバイス上にあるため、こうしたデバイスの運用を開始することは特に困難です。それは専門の技術者がソフトウェアアップデート、システムテスト、その他の作業を各OLTに行う必要があるため、ネットワークの展開には時間がかかり、複雑だからです。このリスクを軽減するには、クラウドベース、またはCOTSベースのドメインコントローラーを活用したSDN (Software-Defined Network) アーキテクチャを検討してください。SDNアーキテクチャでは、新規の物理OLTや仮想OLTは電源投入時に自動的に認識され、ハンズフリーのオートメーションでデバイスを素早くオンボードしますので、高度に熟練したネットワークエンジニアの手を煩わす必要はありません。

素早く成長

PONネットワークの成長でも同様の課題があり、ここではネットワークにポートを素早く追加できることが重要になります。レガシーシステムでは、新規OLTのオンボーディングは手作業の多いプロセスとなり、高度なトレーニングを受けた人材が必要です。しかし、分離型のコントロールプレーンと管理プレーンを採用した次世代PONシステムをお使いになると、サービスプロバイダーは実績のあるITの考え方で拡張することができます。OLTは最小キャパシティから設置でき、その後必要に応じて素早くポートを追加できます。これは、コンピューティングやメモリーなど、コントロールプレーンに必要なリソースはクラウド上に置くためです。

2. メンテナンスをシンプルに

PONネットワークのメンテナンスは以前から複雑で時間のかかるもので、これに特化した作業員が必要でした。しかし、オープンなノースバウンドインターフェイスとインテリジェントなオートメーションを備えた新しいSDN管理フレームワークは、メンテナンスをシンプルで簡素にします。 この場合、サービスプロバイダーは強力なGUIベースの管理アプリケーションを、クローズドループ・オートメーション機能を備えた形で作成、カスタマイズできるようになります。こうしたインテリジェントな管理システムのため、ソフトウェアのアップグレード、コンフィグレーションのバックアップ、耐性テストなどのPONのメンテナンスタスクが容易に行えるようになります。こうしたシステムは使い方を覚え、操作するのも楽なのでトレーニングにも時間がかからず、熟練度の低い従業員でも高度な機能を使いこなせるようになるため、高度なスキルを持つ技術者を戦略的重要度の高い仕事に専念させることができます。

消費電力も削減

PONネットワークには大きな電力が必要なので、サービスプロバイダーは次世代ネットワークの設計において効率に注意を払わなければなりません。これを達成するひとつの方法は、コントロールプレーン機能をデータセンターまたはクラウドに置くことでOLTでの処理と冷却要件を軽減するようなアーキテクチャを採用することです。このアーキテクチャでコンピューティングリソースを共用することで、こうしたワークロードをネットワーク中の多くのOLT上に分布させることよりも本質的に電力効率が向上することになります。さらに、コントロールプレーンでのコンピューティング要件をOLTから他に動かすことで熱の発生も少なくなるため、熱放散にファンを使った強制冷却ではなく、パッシブな冷却テクニックを活用できるようになります。これが電力コストをさらに軽減し、またOLT内での故障も起こりにくくなります。

3. お客様の満足度を維持

加入者の満足度改善にはまずアップタイムをできるだけ高くすることで、これには高度なサービス保証プラットフォームを使うと良いことが示されています。しかし、高度な、ということは複雑な、という意味ではありません。機械学習とAIを活用した予測的、積極的保証システムの採用をご検討ください。これはネットワークの健全性について主要な情報を収集し、これを一元化し、これに依拠する組織やアプリケーションにリアルタイムで可視性を提供します。多くの場合、小さな問題が大きくなってダウンタイムとなる前に、機械学習とAIが自動的に解決します。

競争力を確保しつつ

長期的な競合に勝つには、速度と帯域だけでは十分ではありません。サービスプロバイダーは近い将来VPN、トラフィックの優先順位付け、5Gバックホール、ユニファイドコミュニケーションなどの高度なサービスで競争するようになることが見込まれ、これには帯域にとどまらず、加入者に対してさらなる価値を提供しなければなりません。しかし新しい機能をあまり頻繁には行わないネットワークハードウェアのアップデートに組み合わせるという今日の方法では、高度な機能の導入を遅らせる恐れがあり、サービスプロバイダーの足を引っ張ってしまいます。これに代わり、新しいSDNは新規機能をコントロールプレーンから切り離し、クラウドベースのドメインマネージャー上で実行します。こうすると、ソフトウェアをの担当者は自身の導入スケジュールに従って高度な機能を導入でき、加入者に素早く提供することを可能にし、いつでも必要に応じてアップデートを行うことで競争力を維持できます。

詳細をご覧ください

コムスコープは最近その電子書籍に新しい章を発表し、サービスプロバイダーが次世代PONアーキテクチャを計画する際の最も重要な検討事項を紹介しています。この電子書籍のタイトルは「次世代PONに関する意思決定への総合的ガイド」で、第2章まではすでにご覧いただけます。これから数か月でこの電子書籍には新たなコンテンツを追加する予定ですので、次世代PONの新情報に是非ご期待ください。

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